胸の痛みと息苦しさ、どんな原因が考えられる?

この記事を監修しました。

胸の痛みと息苦しさがあったときにまず鑑別することは心臓と肺の病気です。ご一読頂ければ幸いです。

https://www.ishamachi.com/?p=37044

 

歯が痛いは心臓病の予兆?

今朝のダイヤモンドオンラインに『心臓病の約6割超「心臓病」の予兆が現れる意外な部位http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160730-00097257-diamond-soci』との記事が掲載されました。

中身を見ると心臓病の症状は胸痛や動悸ばかりではなく、肩の痛みや嘔吐、上腹部痛、肩の痛みで起こることがあるとの記載内容でした。

内容はほぼ正しく、実際歯の痛みや肩の痛み、上腹部の痛みで調べたら心筋梗塞であったことなどは、私たち専門医からしてみると、さほど珍しいことではないです。とはいえ、歯が痛いだけでは歯医者さんに行きますので、数ある症状からいかに心筋梗塞の患者様を探しだすのは私たちの力量の問われるところです。

実際には、それ以外の症状を丁寧に聞くことや、リスクファクターと言われれる喫煙、糖尿病、高脂血症、高血圧などが実際にあるかを調べていき、それらが重複すると心臓病を生じている可能性はおのずと高くなります。こういったことを総合的に考え、日々私たちは診察をしております。

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レビュアー(reviewer)の依頼が来た

レビュアーという言葉を皆様ご存知でしょうか?

これは論文の査読をする人のことです。STAP論文問題の時にも騒がれていたので、その時に聞いた方も多いと思います。これは提出された論文を評価して、その論文が雑誌に掲載されるのに値するか判断する人のことをさします。一つの論文につき2人から4人が担当し、編集部からその分野の専門家のところにレビュアーをやりませんか?とオファーが来ます。私の元にも2-3ヶ月に1度のペースでアメリカのカテーテル治療学会からこのオファーが来ます。オファーされるには当然、その雑誌を含め何度か自分が論文を書く側で掲載されていることが一般的で、私も何回かアメリカのカテーテル治療学会に論文を掲載されたためにオファーが来ます。メールは以下のような書き出しです。

Dear Dr. Araki:
I would like to invite you to review Manuscript # ・・・・ entitled “・・・” for the Catheterization and Cardiovascular Interventions.

”~”の論文がカテーテル治療学会の雑誌に掲載するに値する論文か評価してほしい

といった内容です。

もちろん、無償であり、論文を書いた側は世界中の誰が評価してくれたかはわかりません。とはいえ、良い論文が掲載され、それを世界中の人が読めば、その検査や治療は世界中に広がっていきます。

このために、私は積極的にレビュアーを行っており、普段から専門的な知識を蓄えておかなければいけないと思っておりstudy_daigakusei_manます。

 

 

前田健さんの訃報を聞いて

タレントの前田健さんが44歳の若さで亡くなりました。死因に関しては推測の域を出ないので、言及するのは難しいですが、まず間違いないこととして心臓が原因で亡くなられた可能性が高いということです。
厚生労働省の報告では突然死の74%が心臓由来とされており、内訳は心不全35%、急性心筋梗塞26%、不整脈が12%とされています。実際はこれらの疾患の複数以上が絡み合って死に至ることが多いです。
このため40代でも胸痛や動悸、胸部不快などが生じた際には早めの受診が必要となります。

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大震災の時に増える心臓病

熊本で大地震が起こり、多くの方が被災されました。今までも阪神淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災で経験した中で、明らかに多くなる心臓の病気が2つあります。エコノミークラス症候群とたこつぼ心筋症です。前者は狭い車内や居住スペースにいることで足の静脈に血の塊ができてしまい、肺に飛んで行くことで肺梗塞という病気を生じます。後者は強い心身のストレスにさらされることで、心臓の動きが悪くなり心不全や心臓破裂を生じる病気です。たこつぼ心筋症は近親者の不幸やショックな映像を見ることでも起こりますので、直接被災されていない方でもテレビの映像などで生じることがあります。どちらも命に影響を及ぼすことがあり、注意が必要です。

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