高血圧治療ガイドラインの改定について③

75歳未満の未治療者で「高値血圧」の場合、低・中等リスクであれば生活習慣の修正を開始または強化して130/80mmHg未満を目指します。「高値血圧」で高リスク、および「高血圧」で低・中等リスクであれば、速やかに生活習慣への計画的な介入を行い、1カ月後の再評価でも改善が認められなければ内服薬の開始を検討することになります。今回の改訂で多くの方より、すぐに薬を飲まなくてはいけないのでしょうか?と聞かれることが増えました。ただ、リスクの低い75歳未満の方は、すぐに内服を始める必要はありません。まずは食事療法や運動療法、禁煙を頑張ってみましょう。ガイドラインの変更はあくまでも、早い時期から高血圧に対しての意識を持って頂きたいとのメッセージが込められていると、ご理解下さい。

高血圧治療ガイドラインの改定について②

降圧目標は、75歳未満の成人や脳血管障害患者、冠動脈疾患患者、慢性腎臓病(CKD)患者、糖尿病患者、抗血栓薬服用中の患者については診察室血圧で130/80mmHg未満(家庭血圧125/75mmHg未満)、75歳以上の高齢者や脳血管障害患者、CKD患者については診察室血圧で140/90mmHg未満(家庭血圧135/85mmHg未満)としております。一番の変更点は75歳未満の方の目標血圧が130/80mmHgに下がったことでしょう。この解釈について、次のブログで詳しく説明致します。

高血圧治療ガイドラインの改定について①

日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)」が2014年以来、5年ぶりの改訂されました。「高血圧症」を140/90mmHg以上と定義する点は変わりありませんが、血圧レベルを4段階に整理し、120/80mmHg未満を「正常血圧」、120-129/<80mmHgを「正常高値血圧」、130-139/80-89mmHgを「高値血圧」、140/90mmHg以上を「高血圧」と定義しております。

高血圧の薬物療法についてーその3

利尿薬は、塩分や水分を、尿の出を良くして減らし血圧を下げる薬です。軽症から重症まで広く高血圧に用いられます。

β遮断薬は、心臓のポンプ機能をゆるやかにさせて、血圧を下げる薬です。

α遮断薬は、血管の収縮を抑え、血圧を下げる薬です。

 それぞれの種類でメリットデメリットがあり、年齢や合併症の状況などを考慮して使い分けています。またより細かく見ると、その降圧薬のグループ内でもまたグループ分けがあり、様々な状況を考慮して処方しています

 

高血圧の薬物療法についてーその2

カルシウム(Ca)拮抗薬は、血管を拡げて血液の通る量を増やし血圧を下げる薬です。

アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)は、血管を収縮させるアンジオテンシンⅡが受容体に結合するのを阻害して血管を拡げ、血圧を下げる薬です。

アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬は、血管を収縮させて血圧を上げる物質であるアンジオテンシンⅡを作る酵素の働きを阻害して、血管を拡げて血圧を下げる薬です。

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