糖尿病の診断について2

採血にて「空腹時血糖値」が126 mg/dl以上かつHbA1c 6.5%以上にて糖尿病と診断されます。一方で、どちらかだけがこの基準を満たしている場合は「糖尿病型」と言われ、別の日にもう一度採血を行って診断します。「空腹時血糖値」が110 mg/dl未満では正常型とされていますので、「糖尿病の気がある」というのは一般的には「空腹時血糖値」が110 ~ 126 mg/dlの境界型糖尿病にあたる方やHbA1c 6.0 ~ 6.5%の方に対して言われることが多いと思われます。この程度の数値でしたら薬での治療は行わず、食事療法や運動療法をまず行っていただくのが一般的です。健康診断では採血以外に採尿も行われ、尿糖も調べられると思います。ただ、尿糖は血糖値が160 ~ 180 mg/dlを超えるようにならないと検出されないとされることから、糖尿病の目安には用いられることはあっても診断には用いられていません。

糖尿病の診断について

 

食事をすると、一時的に血糖値が高くなりますが、「インスリン」というホルモンが、すい臓から分泌されることで、時間とともに正常値に戻ります。ところが、食べ過ぎで血糖値が高くなりインスリンが分泌されても十分に血糖値を下げられなくなったり、インスリン自体の分泌量が少なくなったりすると、血糖値が高い状態が続きます。これが糖尿病で、初期のころは自覚症状がほとんどないため、健康診断における採血の数値で気づかれることがほとんどです。

健康診断にて糖尿病を診断するには、採血における空腹時血糖値とHbA1c(ヘモグロビンA1c)の2つの値からです。HbA1cは採血の時点から過去1~2か月の血糖値の平均値を示す値で、血糖値が正常域だとしてもHbA1cが高ければ、過去1~2か月は血糖値が高い状態で推移していたと判断できるため、糖尿病の診断に用いられています。

脂質異常症、高コレステロール血症、高脂血症の定義について

この3つを完璧に使いこなすのは一般の方では難しいかもしれません。実際、医療の現場でも、これらの用語が混乱して使われていることが多いのが現状です。
まず、「脂質異常症」ですが、LDLコレステロール(悪玉コレステロール):140mg/dL以上、トリグリセライド(中性脂肪):150mg/dL以上、HDLコレステロール(善玉コレステロール):40mg/dL未満(いずれも空腹時の血清中濃度)のいずれか一つを満たすことと定義されます。
次に「高コレステロール血症」は、LDLコレステロール(悪玉コレステロール):140mg/dL以上のことです。
最後に「高脂血症」は、上記の「高コレステロール血症」もしくはトリグリセライドが150mg/dL以上(高トリグリセライド血症)のいずれか、または両方ある状態のことです。
上記のようにかなり定義が重なっているのが混乱に拍車をかけています。
全て覚えるのは難しいでしょうが、微妙に内容が違うことをご理解下さい。

運動療法について

糖尿病や高脂血症、高血圧などのメタボリックシンドロームには運動療法が有効です。とはいえ、食事療法と比較しても継続的に行う上では大変難しいです。運動療法のメリットは病気の改善以外にどのようなものがあるのでしょうか?
①薬の効きを良くする
②筋肉がつき、心肺機能が向上する
③骨粗鬆症の予防になる
④血行が良くなる
⑤活動的になれるために精神的にもよい
⑥ストレス解消
⑦治療法としては比較的安い
などです。
こういったことを実感しながら運動を行うと長続きしやすいと思います。

糖尿病の治療について

糖尿病治療において、血糖コントロールが長期となるために食事・運動・薬が重要です。現在、日本では7種類の糖尿病薬が使用されており、年齢、合併症、生活環境等を考慮して、どの薬を使用するかを判断しております。実際にある製薬会社の調査では医師の指示通りに内服が出来ていた糖尿病患者はわずか44.9%であったとの報告があるほどです。これらを踏まえ糖尿病の新規患者に対して現在、最も使用されているDPP-Ⅳ阻害薬は食事の前後に関係なく内服可能で、内服回数も1日1回でよいものが多く、低血糖発作などの副作用も以前の糖尿病薬より少なくなっております。さらに、2015年に発売された新しいDPP-Ⅳ阻害薬であるトレラグリプチン、オマリグリプチンに至っては1回服用すると効果は1週間持続するため、1週間に1度の服薬で十分となっております。肝心の効果に関しましても1週間に1度の内服で、従来型の毎日内服するDPP-Ⅳ阻害薬と同等の効果であることが確認されています。軽症の糖尿病患の方には最適です。

ページトップへ