高血圧の薬物療法についてーその1

薬物療法に用いられる降圧薬には、一般的にはカルシウム(Ca)拮抗薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、利尿薬、β遮断薬(含αβ遮断薬)の5種類があります。患者さんの病態や検査の値をみて、適する降圧薬を選択し、降圧目標を目指しますが、単剤で降圧目標を達成することができない場合には併用を試みます。また剤形も錠剤だけではなく顆粒や貼付剤といった貼り薬もあり、使い分けも出来ます。

高血圧の治療について

 高血圧の治療は、食事、運動、薬物療法が中心となります。食事療法の中では減塩が最も重要なことです。塩分は、血圧を上げる最も重要な因子であることから、目標値としては、塩分を6g/日以下にすることが理想と言われています。日本人は塩分摂取量が多いといわれていますので、特に注意が必要です。野菜や果物を積極的に摂り、コレステロールや飽和脂肪酸を含む食品の摂取やアルコール依存症摂取は控えめにしましょう。生活習慣の修正では血圧が下がらないケースや、高血圧のリスクが多く最初から降圧薬で対応することが必要なケースでは、降圧薬による薬物療法が行われます。

 

 

高齢者糖尿病の血糖コントロールについて

糖尿病は加齢とともにインスリン分泌能が落ちることから、年齢を重ねるごとに増悪傾向になることが知られています。一方で加齢で肝臓や腎臓などの臓器障害も増えていくことから薬の作用など高齢者には特別な配慮が必要になります。また認知症があるか、一人暮らしか、食事は自分で作るか、歩けるかなどによっても薬の内容やどの程度を糖尿病の改善目標にするかなど気にする点が増えていきます。一般的には高齢者は低血糖への注意がより必要となります。このために目標値は若い方よりも高めに設定されることが多いです。

痛風について②

痛風の治療は大きく分けて食事療法と薬物療法に分けられ、尿酸値が7.0mg/dLを超えると注意が必要です。食事療法としては尿酸値を上げてしまうプリン体の多い食事を控えるようにします。特にビールを中心とした飲酒はアルコール自体にプリン体が多いことに加え、あん肝、カツオ、レバーなど、酒の肴として好まれるものにもプリン体が多いことから、より気をつけなくてはいけません。ウオーキングやストレッチなどの有酸素運動や1日2L以上の水分摂取も効果があります。以前に痛風発作を生じたことがある方や腎障害などの合併症がある方、尿酸値が9.0mg/dL以上の方には薬物による治療が必要となります。以前は「ぜいたく病」と呼ばれていた痛風ですが、ぜいたくな生活をしていなくても偏った食生活をしていると病気になってしまいます。バランスの良い食事と継続的な運動を心がけましょう。

痛風について①

痛風は尿酸という物質が足の親指のつけ根などの関節にたまり結晶になって沈着することで痛みを生じる病気です。痛風が生じる前の尿酸値が高い状態を、高尿酸血症と言いますが、尿酸の結晶がただ関節に沈着しているだけでは痛風発作は起こりません。心身に大きなストレスをともなう動作や運動、急激な尿酸値の変動などがきっかけとなり、関節に付着していた結晶が剥がれ落ちます。それを白血球が異物と認識して、炎症反応を生じることで激しい痛みとなります。痛みが激しい時は、歩行できないほどの激痛となりますが、1週間から10日たつと次第に治まり、ついには全く症状がなくなります。このため痛みが終わると、これといった治療をしない方も多いのですが、高尿酸血症の状態が続くと痛風発作を繰り返すばかりではなく尿路結石や腎障害、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患を生じることがあることからも治療が必要となります。

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