痛風について①
2018年3月1日
痛風は尿酸という物質が足の親指のつけ根などの関節にたまり結晶になって沈着することで痛みを生じる病気です。痛風が生じる前の尿酸値が高い状態を、高尿酸血症と言いますが、尿酸の結晶がただ関節に沈着しているだけでは痛風発作は起こりません。心身に大きなストレスをともなう動作や運動、急激な尿酸値の変動などがきっかけとなり、関節に付着していた結晶が剥がれ落ちます。それを白血球が異物と認識して、炎症反応を生じることで激しい痛みとなります。痛みが激しい時は、歩行できないほどの激痛となりますが、1週間から10日たつと次第に治まり、ついには全く症状がなくなります。このため痛みが終わると、これといった治療をしない方も多いのですが、高尿酸血症の状態が続くと痛風発作を繰り返すばかりではなく尿路結石や腎障害、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患を生じることがあることからも治療が必要となります。